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[京都]
1999.7.15

京都PRいち抜けた JR東日本、旅のキャンペーン脱退

朝日新聞(東京本社) 1999年7月15日付夕刊

 JR各社が合同で展開する旅行キャンペーンのうち、旧国鉄時代以来20年にわたって冬の部門を独占してきた京都市が、今冬から指定席をはずれることになった。「京都の特別扱いはおかしい」と主張するJR東日本が、今年(1999年)3月限りで脱退を宣言したからだ。旅客収入の減少が続くなか、「売り込むなら、自社エリアの観光地を」との思惑が背景にある。一方、東海道新幹線を抱えるJR東海にとって、観光客向けの最大の目玉、京都を首都圏でPRできないのは大きな痛手。「地下鉄にポスターを出してでも、キャンペーンは続ける」と強く反発する。観光客の減少に悩む京都市は、両者も「内輪もめ」におろおろするばかりだ。

 合同キャンペーンは、旧国鉄が1978年度に始めた「デスティネーションキャンペーン」が起源。季節ごとに1カ所、年間3、4カ所の観光地を選び、地元自治体と一緒にイベントを設定する。全国のJR駅にポスターを一斉に張り出し、割安切符を発売してムードを盛り上げる。京都市は「京の冬の旅」の名前で、79年度に初登場。修学旅行や祭りのシーズンから外れた閑散期に観光客を呼び込む狙いで、二条城の特別拝観や西陣織着物の着付け体験などのイベントを盛り込んできた。ほかの対象地は毎回変わったが、京都だけは「別格扱い」で、冬を独占してきた。

 別会社となってからは、JR6社の合意で対象都市が決まることになり、JR東日本は3年前、京都の別格扱いに異議を唱えた。新潟や福島との同時開催でいったんは決着したが、同社は昨夏、改めてこの件を持ち出し、「冬に観光客を呼びたい自治体はいくらでもあり、平等に扱うべきだ。京都がずっと選ばれてきたのは、旧国鉄の固定観念に過ぎない」と主張。今年3月までで脱退すると宣言した。

 今後「京の冬の旅」にかかわるポスターや車内づり広告を首都圏で掲載する場合には、「通常通りの料金をいただく」(同社営業部)という。JR東海にとって、首都圏から京都へ向かう観光客は、ビジネス客に次ぐお得意さん。同社営業本部は「お客さんにはJR同士の管内の線引きなど関係ない。巨大マーケットの首都圏を抱え込みながら、他社エリアは売り込みたくないというのはわがままだ」とカンカン。今年末から始まる「京の冬の旅」は、東日本を除いたJR5社で続けられる見通し。とはいえ、首都圏の宣伝はどうするかは決まっておらず、「JRではなく、地下鉄に広告を出した方が割安ではないか」という声も。

 一方の京都市は大打撃に頭を抱える。というのも、90年に4千万人を超えた観光客が、阪神大震災で3500万人台に急減。97年にようやく3900万人に持ち直したものの、かつての勢いには遠い。「冬の旅」は、広告費に換算して10億円以上の価値があったとされるだけに、観光施策の抜本的な見直しは避けられそうにない。同市観光振興課は「代わりに有料広告を出すのは、財政的にとても無理」と嘆いている。


「京都PR いち抜けた!」JR内輪もめに京都当惑…=朝日新聞紙面より

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