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「駐車場税」、3年後に廃止へ 福岡・太宰府市 2004/02/25
 福岡県太宰府市が導入していた独自の税金「歴史と文化の環境税」(いわゆる駐車場税)が、3年後に廃止されることが分かった。有料駐車場の料金に課税する法定外目的税で、観光地・太宰府天満宮を抱える同市が新たな財源として期待していた。しかし、税金に対する猛烈な反発が起きていた。

 菅原道真公を祀る「太宰府天満宮」は、1年間に700万人もの参拝客が訪れる。駐車場税は、観光客の受け入れのための整備にかける財源を参拝客用の駐車場から徴収する考えで昨年5月に導入した。クルマ1台につき100円課税される。駐車場から徴収するが、税金はそのまま駐車料金に上乗せされる形となり、利用者の負担増となった。

 駐車場経営者は猛反発。相場では1台400円の駐車料金だったが、これを「無料」とし課税を逃れる業者が続出。また、最大の駐車場を持つ大宰府天満宮が拒否したため、事実上課税は機能しなくなった。

 事態打開のため市と天満宮などの業者が話し合いを進めた結果、対立をすることが無用な混乱を招いてイメージダウンにつながりかねないとの懸念が広がったとして、2006年度までの3年間に限り徴収することで合意にいたった。

 結果的に、税負担を拒否する駐車場側と、一定の課税実績を残したい市側の妥協によって踏み寄った格好となった。大宰府天満宮の駐車場でも準備が整い次第、徴収をはじめる。

 地域振興と財源の確保の両立をめざして、旅行者からの徴収をねらった法定外目的税は、東京都のホテル税がある。大宰府の駐車場税は失敗に終わりそうだが、課税の難しさを改めて思わせる一件であった。

[ETN BREAKING NEWS : 2004-02-25 21:00]
 


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