1999年夏、「青春18きっぷ」のポスターに使われた駅です。釧網本線は道東の網走と釧路(正確には東釧路)とを結ぶ路線ですが、かなり本数が少ない!! しかし、ファンの多い路線で「21世紀に残したい路線」などというおせっかいな企画などで、何かといって取り上げられます。釧路から釧路湿原を走り、摩周湖や阿寒湖などの名所が沿線にあります。知床へのアクセス路としても知られています。
摩周駅の1つ網走寄り、川湯温泉駅。川湯温泉へ行くひとがこの駅を利用することがあるんでしょうか。バスもなければ、タクシーも呼ばないとこない。携帯電話は不通の「人口カバー率99%」の1%に当たる地域にあります(!)。
駅を降り立つと、立派な駅舎が迎えてくれます。いまは無人駅ですが、ここが賑わっていたころを彷彿させてくれます。一度列車が下りると2時間は来ない…山手線に慣れた都会人には目ン玉飛び出る状況ですが、北海道では珍しいものではありません(石北本線には1日1本しか列車が来ない駅があるくらいだからね!)。駅の待合室の座席には座布団が敷いてあり、旅人たちへの心遣いが思われます。
この駅で折り返す列車が多いので、運転手さんもくつろいでいます。人のいない駅だと思うでしょう? 駅員さんはいないけど、昔の事務室を利用して喫茶店「オーチャ−ドグラス」が営業しています。値段が高いのはご愛嬌、でも、大変あたたかな雰囲気で、とりこにされそうです。ここのソフトクリームは、全国的に知られているそうです。
駅舎内にはBOSEのスピーカーがあって、そこからENYAの歌が流れてきています。何ともいえない綺麗な歌声が、この駅の雰囲気に溶け込んで、心地よい気分にさせてくれます。
駅の外には、煙の立ち上る硫黄山が見えます。30分くらい歩くと温泉街があります。川湯温泉駅から温泉めぐりをしてみたいものです。
■独断と偏見で選定した川湯温泉駅の名所。
1) おいしい水 湧き水が駅前の水道蛇口をひねると飲めます。暑い夏なら、乾いた喉を潤してくれます。また「オーチャードグラス」のソフトクリームのお口直しに向いてます。無料ですが、飲みすぎはマナー違反ですよ。
2) 雪印牛乳 駅入口の外側にSNOW BRANDの自販機があります。お膝元の雪印牛乳はひときわおいしく感じます。私は「バナナ・オレ」を飲みました。なお、対になってコカ・コーラの自販機もあります。
3) 川湯温泉駅前簡易郵便局 貯金をおろしたり、手紙を出すことも。暇な待ち時間を過ごしてはいかがでしょうか。簡易郵便局なので、風景印はなく、公共料金の振込みはできません。本局は温泉街に行くとあります。
4) 摩周湖 霧の摩周湖へは、駅前の公衆電話からタクシーを呼んで行ってみよう。30分くらいです。歩くと、恐ろしく時間がかかりそうです。
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