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酒田駅
酒田駅の駅舎(2001年2月/ETN)
東日本旅客鉄道(JR東日本) 羽越本線
酒   田 さかた

開 駅
OPEN
大正13(1913)年12月24日
所在地
ADDRESS
山形県酒田市幸町1丁目
接 続
CHANGE
JR>陸羽西線(→起点は余目)
 心に残る最高の店よ… (2000年11月 #21)
 はっきり言って僕は酒田駅やその周辺のことについては素人である。

 なぜなら、僕が酒田駅周辺にいたのは、たった2時間あまりだからである。こういえば、そのときの僕の状況を理解してくれる人がいるかもしれない。そう、僕は村上発新宿行きの「ムーンライトえちご」号に乗るために日本海沿いを南下していた。
 今はどうだか知らないが、そのときのダイヤでは乗り継ぎの関係で酒田でどうしても2時間は待たなくてはならなかった。確か、20時ごろに着き、22時ごろに乗る、という接続である。

 初めての町であり、その上、夜である。行動のしようがなかった。僕にとってできることはホームのベンチでぼおーっと座っているか、迷子にならない程度にその辺を当てもなくふらつくことである。そのときはたまたま後者を選ぶことにした。外は闇。迷子にならないようにしなくては。

ジャスコ
ETN
 駅の前にジャスコがあった。僕は迷わず中に入った。

 せっかく中に入ったから何か買おうと思った。のどが渇いていたので飲み物コーナーへ行ってみた(1階)。バドワイザービールがあった。僕はそれを手にとった。
 駅に戻った。相変わらず人影はまばらで、旅行者のザック以外に目を引くものはない。僕は早速ビールを飲もうとしたが、列車の中で眠くなってしまうと困るので(まだ村上での乗り換えが控えている)、ビールをザックの中にしまった。おそらく「ムーンライトえちご」の中で飲むことになるだろう。

 ■   ■   ■   ■   ■   ■ 

 かなり前に、ある人からあのジャスコが閉鎖されたと聞いた(世の中にはこんなことが話題になることがある。しかし何故彼は「こんなこと」を知っていたのだろうか。念のため言っておくが僕はあのとき一人だった)。僕はそれを聞いたとき悲しくてしょうがなかった。

 今でも彼とあの酒田駅前のジャスコについて話すことがある。そんなとき僕は単に懐かしさを感じるだけではなく、襟を正される思いがする。僕にとって彼は死んでしまった年来の友人である。

 彼は間違いなく僕の心に残る最高のジャスコだった。儚きジャスコよ、安らかに眠れ。

(2002年7月追記)


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