知床斜里の駅に降り立ったのには、深いわけはありません。
その前日、私は網走に泊まり、その日は屈斜路湖畔に宿泊する予定でした。
その夜は、阿寒駅まで迎えにきてもらう予定だったのですが、そこは厳冬期の釧網線、網走から釧路まで行く列車は網走発午前10時の便を逃すと午後2時までありませんでした。
前日の宿泊地で知り合った旅の道連れは、清里に宿泊する予定だったため、途中の知床斜里までは一緒に来て、そこで釧路行き列車を待ったわけです。
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雄大な知床連山=2001年2月(筆者提供) |
知床斜里の駅に近づいたとき、私は思わず声をあげてしまいました。
奥に連なる知床連山、羅臼(らうす)山…。その眺めがあまりに雄大で、思わず今日の宿泊地は斜里にしようか…とまで考えたほどです(もちろん、宿泊の予定も入れてなければ、キャンセルもしなくてはならず、とても現実的ではなかったのですが…)。
駅自体はそんなに大きいものではありません。確か近くにセイコーマートがあったような気がします。連れと30分ほど話して、彼が清里に向かう電車(※注1)に乗った後、しばらく駅前をぶらぶらしましたが、この駅周辺についてもっと知りたくなった私は、勇気を出して駅の売店でチロルチョコを買いながら周辺の名所についてたずねました。
そして、歩いて20分ほどのところに町営の博物館があることを知り、多少時間的にきついのではないかと言われましたが、向かうことにしたのです。
斜里の町はとても清楚で美しく、感じのよい町でした。道路に厚く積もっている雪、氷に加え、遠くに望む知床の山々、そして節度を持った感覚で立てられている民家など、関東にいては望むべくもないすばらしい環境です。特に村役場から望む羅臼山は、まさに雄大の一言に尽き、その迫力を真に皆様にお伝えできないのが残念で仕方ありません。
町営博物館は、ありきたりの郷土の紹介でしたが、斜里の町に興味を持った私にとっては非常に興味深いものとなりました。もう少しじっくりと見たいのは山々でしたが、列車の時刻もあり帰路につく途中、あまりのすばらしさに 管理人さん(※注2)に、お電話を差し上げたのですが覚えているでしょうか?
そのあと結局、私は駅の途中の「モンブラン」と言うケーキ屋さんでプリンアラモードとチーズケーキを買い、列車に乗って斜里の駅を後にしました。今度は夏にでも、また、ぜひ訪れたい名駅だと思い、投稿させていただきました。
※注1 ディーゼル車のことです。釧網線は電車は走れません(^_^)
※注2 「ニッポン百名駅」編集部のウェブ担当者を、昔は管理人って言ってました。
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