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木曽川にかかる「犬山橋」では、かつて車と鉄道が一緒に渡る光景が見られた=2000年3月/ETN |
JR鵜沼駅は、名鉄新鵜沼駅とつながっている。駅としては名鉄の方が本数も多いし、利用者も多い。
名鉄新鵜沼駅の隣駅、犬山遊園駅との間には、一級河川の木曽川が流れている。愛知県と岐阜県の県境である。この川を渡る橋を犬山橋というのだが、2000年3月まで、この橋は「鉄道・自動車供用橋」として運用されていたのである。
この路線が建設されたころは、まだお金がない時代で、鉄道会社も自治体も、独力で橋をかけられなかったのだという。鉄道と自動車を一緒の橋で渡すという発想は、こうした財政的側面の影響が大きい。ただ、普通は鉄道・自動車、それぞれの通行部分を分離帯などで分けるのだが、犬山橋の場合は、自動車橋に路面電車が走るような構造で、なかなか珍しいものだった。
「のりものずかん」など子供向けの本にも、この犬山橋の写真は取り上げられている。そのころの印象が忘れられず、大きくなって訪れる人も多いだろう(かく言う私が、そうだったりして)。
しかし、自動車の交通量が増えたりし、橋の老朽化も進んだこともあって、犬山橋のスグとなりに自動車専用橋「ツインブリッジ」を建設、犬山橋は鉄道専用橋となることになった。
2000年3月、ついに橋は完成し、自動車と鉄道が同じ橋を同時に走るという、珍しい光景は過去のものとなった。
ところで、JR鵜沼駅は高山本線の駅である。高山本線は非電化・単線の路線。名古屋から鵜沼へ行くには、JRだと岐阜駅を経由して行かなければならないので時間がかかる。名鉄が賑やかなのは、どうしたって名鉄線の方が便利だからだし、あと沿線には犬山城などの名勝も多いのも名鉄が選ばれる理由だろうか。
それにしても、JR駅をベスト選にしたのは、駅そばがあるからである。
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