今度三重に行くことがあったらなんとしてもやりたいと思っていたことがあった。それは最近廃止が検討されている近鉄北勢線に乗ることである。
今冬、幸運にも三重県に来る機会があった。しかし時間があまりなかったので、北勢線に時間はかけられない…。ここまで来て惜しいが、その日は起点である西桑名駅の見学だけで我慢することにした。
余談。あまり関係のないことだけど、「西桑名」というネーミングは地図で見るとおかしく思えてしまう。だって、近鉄西桑名駅は近鉄桑名駅よりも東側にあるのだ。
名古屋から「快速みえ」号に乗って桑名駅に到着。列車の外にでると、少し雨が降っていた。私は折り畳みの傘を出そうかとも思ったが、ザックから取り出すのが面倒だったのであきらめた。
幅の狭い階段を上って改札口へ。
私はさっそく駅員さんに西桑名駅の場所を尋ねてみた。
「すいません、西桑名駅はどこでしょうか?」
「駅を出て、右の方に行くとすぐです」
これは意外な答えだった。私はてっきり西桑名駅は桑名駅から少し離れたところにあると思っていたからだ(だって、わざわざ異なる駅名にしてあるのだもの)。
駅員さんの言葉にしたがって、桑名駅舎(橋上)を出て歩道橋を右に進む。右側にはJR・近鉄桑名駅のホームがあり、時折列車も見える。左側には駅前ロータリー、駅前デパート(?)など。
さて、150メートルくらい歩くと歩道橋が終わり、地上に降りる。すると、列車は見えないが、なにやら流行っていない線路のようなものが見えるではないか! どうやらここらしい。
ホームはこちらから見て左側に見えるので駅舎も左側だろうと推測して回り込んでみた。バスの定期券売り場、たこ焼き屋(だったと思う)、の次あたりに「近鉄西桑名駅」の入り口があった。さらに5歩ほど歩くともう一つ入り口がある。

こぢんまりした駅構内=2001年3月
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駅舎の中にはいった。昔ながらの駅だ。左には青と黄色を組み合わせた自動券売機、正面に改札口(もちろん自動改札機ではない)、列車を待っているおじいさんが座っているベンチが2つか3つ。あとは窓口、それだけ。
記念に切符を買うことにした。北勢線・西桑名の初乗り170円、子供バージョン90円。切符をしまいながら、右を見ると定期券の申込書が… これももらっておくことにした。はたしてこれらの品は将来北勢線が廃止されたときプレミアがつくだろうか?(そんなわけはないか)
駅を出て駅舎の写真を撮った。この写真の風景は近い将来見ることができなくなるかもしれない。そう思うと少し悲しくなった。
(2002年7月追記)
※北勢線は、2003年4月に三岐鉄道に経営が移され、引き続き運行を続けています。(編集部)
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