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■優勝の瞬間…名古屋駅周辺
21時半、JR名古屋駅。金曜日の夜、サラリーマンやOLの家路へ急ぐ人の波がつづく。それは、いつもの金曜日とかわらい光景だ。今、まさにドラゴンズの優勝が決まるというときであったが、街頭テレビがあるわけでもなく、電光ニュースで経過を知らせるわけでもなく、街は特に変わったところはない。 関心はあるのだろう。しかし、情報が入ってこない。だから、盛り上がっていないのかもしれない。 その考えが正しいと分かったのは、その1時間後。東京ドームのヤクルト戦(対読売ジャイアンツ)で、ヤクルトが敗れた。その瞬間、ドラゴンズの優勝が決定。果たして街はどんな動きをするか?名古屋駅周辺をよく観察してみた…が、何もない。優勝決定が伝わっていないようすだった。デパートが配った「号外」(優勝セールのチラシ)を見て初めて知る人がいた。チラシを見た男性は「こういうのは新聞社が配らないとねえ・・・」。 新聞社とて号外に匹敵する大ニュースであり、さぼっているわけではなかった(中日の親会社は、中日新聞社であるからなおさら)。しかし、この段階では中日はまだ試合中だった。広島を相手に延長戦に突入。勝利による胴上げを目指して試合を進めているところであった。試合は進み延長12回表、広島は満塁ホームランで一挙に得点、均衡を破る。大差つけられたまま中日は敗戦を喫した。 試合には負けたが、優勝。「オレ流」落合監督の胴上げが行われることになった。駅前の広告テレビにも、CBCテレビの中継が映し出され、球場が歓喜の渦にある様子が伝えられた。 さて、駅前はさぞ盛り上がっているだろうと、再び観察。ところが、まったく、である。 用意していたのか、日本酒をあおって勝利を喜ぶグループはいたが、目立ったのはそのくらいで、あとは「無関心」な様子にしか見えない。いったいどういうことだ、名古屋には熱狂的なファンが多いんじゃなかったのか? ふと思う。もしかしたら、中日ファンは結構シャイなんだろうか。 ■フィーバーしていたが…栄 名古屋駅から地下鉄で5分ほどのところにある東海屈指の繁華街、栄。夜になれば若者が集まる公園で、きっと大騒ぎだろうと思い、さっそく行って見た。地下鉄を降り地上に出てみると、意外なほどの静寂。店がある場所からは離れているとはいえ、まだ夜の11時、しかも金曜日。それにしても静かである。 そんな中、それほど遠くないところから騒ぎ声が聞こえる。行ってみると、若者たちがバンザイして、応援歌「燃えよドラゴンズ」を合唱している。さすがだなあ、去年の阪神タイガース優勝のときの道頓堀・戎橋ほどではないが、にぎやかである。優勝の夜はこうこなくてはいけない。
そう、私と同じく、こうした「騒ぎ」を期待して駆けつけた地元テレビ局のカメラの前で盛り上がっていたのだ。撮影が終わると、今までの盛り上がりは何だったのか、急に静かになる。そのうち、どこかのグループが盛り上がり出すと、そこにもカメラが。 その映像だけ見れば、名古屋は優勝フィーバーで大盛り上がりと思うかもしれないが、実際はこんなもんである。 栄のほか、大須やナゴヤドーム周辺では似たように盛り上がっていたようだが、総じて、フィーバーというほどの騒ぎにはなっていなかった。栄の公園の隅で、地元マスコミの記者らしい男性が携帯電話に向かって「事件性はないですね」と報告をいれていた。記事にできるような事件を期待していた記者には悪いが、これが名古屋っ子らしい盛り上がり方なのだろう。 ちなみに、裸踊りしてしまった男が1人摘発されたぐらいで、十数人も摘発された阪神フィーバーに比べれば、だいぶ大人しい。 その夜、中京圏のテレビは特別編成で優勝祝勝会を中継、監督・選手出演の特番を放送した。9月30日のヤクルト戦は、視聴率が24%もあったそうである。在宅で応援するドラゴンズファンが、かなり多いようである。
|その2へ続く|
(2004/10/02) | ||||||||||
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