- | ||||
| ||||
![]() | ||||
(その1から続く) ■「中日」を読んで喜びかみしめ 一夜明けた10月2日朝、落合監督の胴上げ写真を据えた中日優勝を報じる新聞紙面がコンビニの店頭を飾った。地域最大部数を誇る中日スポーツは、その宅配率の高さが知られているが、飛ぶように売れていく。駅売店では中スポが早々に売り切れ、他紙を買う姿も見られた。 名古屋では、朝食を喫茶店のモーニングメニューで済ます人が多い。ある喫茶店を除くと、コーヒーやパンを片手に、新聞を読みふけている姿が見られる。目の先はもちろん中日優勝のニュース。店には何紙か用意してあるが、だいたいの人は中スポか中日新聞を手に取っているようで、経済紙や他球団系列の新聞は目もくれない様子。中日新聞あっての中日ドラゴンズだな、と感心すること然り、である。 その新聞にも大きく掲載されていたが、優勝翌日からは恒例の「優勝記念セール」が行われる。名古屋・栄地区にある各デパートともに、夜を徹して準備をした。優勝セールは普通のバーゲンセールとは違い、格段に集客力があるイベント。このチャンスをどう活かすか、全国的に見ても好況とみえる名古屋経済の一端を見ようと、デパートめぐりをしてみることにした。 ■優勝セールに人・人・人?
三越では、10時開店の30分前からセレモニーが始まった。店長あいさつ、鏡割り、くす玉割、ドラゴンズのマスコットによるダンスの披露などが続く。行列は300人ほどになり、記念の煎餅が配布された。また、先着順に選手サインの色紙なども配布。ファンにはたまらないグッズだろう。 松坂屋も祝い酒をふるまったほか、丸栄は立浪選手のポスターを配布するなど、各店とも趣向を凝らす。 ちょうど開店時、一帯は小雨がぱらついていた。それも影響したのか、開店前にできた行列は意外にも長くなく、開店すると1分くらいで店内に吸い込まれていった。もっと混雑すると予想していたのだろうか、「列の最後尾」と書いたプラカードが用意されていたが、出番はなかった。 しかし、11時くらいになって客足は次第に増え、お昼にもなると、店内は客でごった返していた。わざわざ並んでまで買い物に行かないという名古屋人の堅実さ?なのだろうか(これだけで判断は出来ないが)。もちろん、客の大半は女性であったのは言うまでもない。 ちなみに、ダイエー栄店も優勝セールを開催。日本一を賭けて争う相手になるかもしれないダイエーとはいえ、ここは名古屋。勝負は勝負、商売は商売、ということだろう。
5年ぶりの優勝で沸き返る名古屋――をイメージして、各所を訪ね歩いたものの、想像していたような「大騒ぎ」にはお目に掛かれなかった。意外にも平然とした、特に変わらない週末という印象である。もしかしたら、ドラゴンズの優勝は当たり前のことで騒ぐまでのことではない、という強者の落ち着きなのか。それとも、本当にお祭り騒ぎするのは日本一のとき、という暗黙の了解があるのか…それを知る術はない。 UFJ総合研究所の試算では、日本一になった場合は中部5県(愛知・三重・岐阜・富山・石川)の経済効果は151億円にのぼるという。しかし、昨年に阪神タイガースが仮に日本一になっていたとしたら、関西の経済効果は1587億円といっていたのだから、ずいぶん規模が違う。「経済が低迷している地域ほど効果は大きくなるが、中部は経済が好調で効果が限定される。また、ドラゴンズは毎年優勝争いにかかわるから」少ないそうだ。喜ばしいのかどうか分からない。 中日は、パ・リーグの覇者と日本シリーズを戦う。パ・リーグは今年からプレーオフ制を導入し、まだ日本シリーズ進出チームは決まっていない。プロ野球が揺れ動いた2004年の最後を飾る頂上決戦、それを制するのはどのチームか。中日が日本一に輝いたとき、名古屋はどうなるのか。実に興味深い。 (2004/10/3) | ||||
Copyright © 1999-2004 EASAS TRAVEL MEDIA NETWORK, All rights reserved. |